東北・新潟の未来は“人”がつくる!若者の地域定着・還流に向けた東北活性化研究センターの挑戦

地域シンクタンクが取り組む、課題解決のカタチへ迫る

シビレは(公財)東北活性化研究センター(以下、東北活性研)と連携し、同財団が認定した東北・新潟のキラリと輝く「キラ☆企業」の情報をお届けしています。
東北活性研は、東北圏(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県及び新潟県)の総合的な地域・産業活性化に関する調査研究、プロジェクトの発掘・支援及び人財育成等に関する事業を行う機関で、いわゆる「地域シンクタンク」です。
一般的に地域シンクタンクといえば、地域の課題を調査・研究・分析し、問題解決の方策を提示する機関といったイメージがありますが、東北活性研は、そうした枠組みを超えた情報の発信や多様な人々が出会い・交流する場づくりに力を注いでいます。

東北活性研(地域・産業振興部)の藤原部長と相原課長に、その背景や意図、想いを伺いました。

取材に応じてくれた藤原さん(左)と相原さん(右)

東北活性研について簡潔に教えてください

「東北活性研は、東北・新潟における地域シンクタンクで、地域の様々な情報を集めて分析し、レポートを公開しています。
こうした調査・研究活動は長年取り組んできましたが、様々な課題を抱える東北圏の活性化を果たそうとしたときに、課題を抽出し指摘するだけではなく、自ら実践し、その経験を地域に活かしていく必要があるのではないかと考えるようになりました。
そうした中で発足したのが我々の所属する地域・産業振興部です。

今日、東北地域の課題の多くは「人口減少」「少子高齢化」といった“人”起因ですが、この根源的課題に対してどう取り組んでいくべきなのか、どのようなアクションが効果的なのか、多くの方々が解決策を模索している状態にあると考えています。
東北圏は「課題先進エリア」とも呼ばれ、人口減少が顕著で、特に若い世代の社会減が急速に進んでいます。

地域・産業振興部では、こうした課題を指摘するだけではなく、そこから一歩踏み込んで、プロジェクトとしてこの難しい課題に取り組んでいます」(藤原さん)

具体的にどのようなプロジェクトを進めていますか?

「人口減の内訳を見ていくと、20代前半のような若い世代の流出が顕著であることが判明しています。
なぜ地元から出ていってしまうのか、その理由や背景は様々で、単純にこうだと結論づけられるわけではありませんが、要因のひとつとして、自分の住んでいる地域や地方の企業のことをよく知らない、ということがあると仮説を立てました。
これは、地元の大学の先生や学生さんと協議を重ねる中でわかってきたことです。

知らないのであれば知らせよう、という取組みのひとつが、今進めている「キラ☆企業(※)」の情報発信事業なのです。
(※東北活性研が選定した東北・新潟の優れた企業。選定にあたっては、事業の特徴、成長性・将来性、地域への貢献度など、多面的な評価を行い、各界を代表する有識者による選定委員会を組織のうえ厳正な審査を行っている)

東北圏には、グローバルに事業を展開していたり、様々な分野で国内トップシェアを誇るような優良企業もたくさんありますが、部材や産業機械・工具の開発などを手掛ける企業が多く、そのため若者をはじめとする一般の方々にはあまり知られていません。いわば“知る人ぞ知る”優良企業ともいえるかも知れません。
一方、若者が就職活動で目にしやすいのは、大手企業や、一般消費者向けの商品をつくって売っているような企業です。

東北・新潟にはキラリと輝く優れた企業がたくさんあるのに、それらを知らないために、「東北には良い企業はない」と早合点して外に出ていってしまうのはまことにもったいない話です。
「キラ☆企業」の取組みを通して、若者に、東北圏で働き、暮らすことの魅力を伝え、人生の進路を決める際の選択肢の一つとして検討してもらえたらという思いでこのプロジェクトに取り組んでいます」(藤原さん)

「「キラ☆企業」の紹介にあたっては、ターゲットである若者と目線の近い若手社員の声を集めることに注力しました。
あえて地方で働くことを選択した若い人たちが、どんな決断をしてどんな働き方をしているのかを実際に見たり聞いたりすることは、私たちにとっても非常に役立ちます。

この活動を通して様々な若者と交流させていただいた印象では、今、若者たちの中で、働き方の概念が大きく変わっていると感じます。
どんな会社で働くかも大切ですが、自分のやりたい仕事や実現したいことを真摯に追及している若い人が増えているように感じます。

そのため、「キラ☆企業」の情報発信では、「良い会社があります」と会社のことをアピールするだけではなく、「地方の企業でこんな働き方をしている」とか「地方にもこんなおもしろい人がいるよ!」というような、若い世代に共感してもらえる情報発信を心がけています」(相原さん)

若者に情報を届けるために工夫していることを教えてください

「学生や社会人の若者と交流するうちにわかってきたことの一つは、必要な情報をほぼ全てスマートフォンで取得している人が大勢いることでした。要するに、若者に情報を届けるには手に収まるスマホを前提に設計しなければならないということです。スマホサイズで情報を閲覧する若者は、画面を見て一瞬で読む・読まないを判断し、親指の動き一つで簡単に別の画面に移ってしまいます。
見てもらえない情報は「ない」も同然なので、その一瞬の判断に耐えられるよう、コンテンツだけではなく、デザインや操作性など、毎年試行錯誤を積み重ねています。

幸いにも2018年12月にスタートした取組みも3年目を迎え、訪問するユーザー数が当初から9倍ぐらいに増えました」(藤原さん)

「また、東北圏をフィールドに活躍している人の仕事ぶりや価値観、生き方などを現場感のある映像で伝えられると良いなと思って始めたのが、動画コンテンツ「キラ☆パーソン」です。

テキストだけではなく、動画を使ったり、SNSを利用してみたりと、さまざまな方法で情報発信し、若い人たちの情報の取り方に肉薄していきたいと考えています」(藤原さん)

「キラ☆パーソン」サイト。東北圏で活躍している若い方々の仕事ぶりや価値観、生き方などを映像で紹介している

今回イベントをやろうと思われた背景を教えてください

「「キラ☆企業」へのアクセスの半数以上が首都圏在住の人たちからであり、情報がしっかりと対象の方たちに届いてきていることを実感しています。そうした中で、実際に企業の生の声を伝えたり、リアルで集まる場が必要であると考えました。

一般的な就活イベントでは、人事担当者がブースに座って話をすることが多く、会社としての方向性や想いを経営者から直接聞く機会はほとんどありません。

今回のイベントでは、3社の異なる業種から様々な経歴をもつ経営者をお招きしました。東北圏を中心に活躍している経営者と直接話していただくことで、東北エリアの可能性や仕事事情を把握いただくとともに、東北圏での就業や生活に関する具体的なイメージを掴んでいただけるのではないでしょうか。若者には単に話を聞くだけでなく、対話を通じて東北圏の理解を深めてもらいたいと考えています。

スーツを着たり、面接用に着飾って参加する必要はまったくありません。肩の力を抜いて、気軽に参加してみてください」(相原さん)

参加いただく方にメッセージをお願いします

「経営者は良いことしか言わない、と思われている方もいるかもしれません。しかし、経営者の本音や苦労話に直接触れて、若いあなた自身が次の舞台をどうするかを考えていただきたいと思います。
これまで出会ってきた若い社員の中には、武者修行の場としてあえて地方の企業を選んだという方や、地方の企業は組織がコンパクトだから経営者の近くで働けたり、経営者の仕事ぶりを間近で見られることにメリットを感じていると話してくれた方がいらっしゃいます。

例えば将来会社を立ち上げたい方や、現場感のある経営を学びたいという方にも参加いただき、チャレンジするうえでの東北圏の可能性を探ってほしいと思います」(藤原さん)

「キラ☆企業サイトでは、各社の若手を中心に紹介していますが、具体的に企業への就職を考えたときには、会社としての理念やビジョン、将来のキャリアプランなどの長期的なスパンの話を聞きたいという方も多いのではないでしょうか。
今回のイベントは、合同説明会でも面接でもありません。地方で活躍する経営者と直接対話できる滅多にない機会です。受身ではなく前向きな気持ちを持って、ダイレクトな意見や想い、悩みなどを経営者の方にぶつけてもらえればと思っています」(相原さん)

イベント参加者募集!東北圏での働き方や生き方を検討する機会に

東北活性研が主催する「東北・新潟Meetup!オンラインイベント」は2月18日に開催します。
オンライン開催のため、東北圏はもちろん、全国どこからでもご参加可能です。コロナ禍で地方への関心が高まる今、地域の魅力ある企業の経営者との交流を通じて東北圏で働く魅力を発見してみてください。
※本イベントの参加申し込みは終了しました。エントリーいただいた皆さま、ありがとうございます。