100年続く組織を目指し次世代に「思いのバトン」をつなぐ

<OFF TOKYO×キラ☆企業>愛さんさんグループ/代表取締役CEO・小尾勝吉氏

東北・新潟にはキラリと輝く企業がたくさんあることを知っていますか?そこでは先輩社員たちがイキイキと仕事をしています。このサイトでは、そんな素敵な企業を「キラ☆企業」としてご紹介しています。
「自分らしく働きたい!」「 やりがいを感じる仕事がしたい!」「 夢を叶えたい!」と考えていたら、「キラ☆企業」で紹介する先輩社員のメッセージに耳を傾けてください。

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この企業のキラ☆ポイント!

  • 高齢者、障がい者、職員がみんなで切磋琢磨しチャレンジしていく職場風土
  • 社員の教育に力を入れ、学びたい人への投資を惜しまない
  • 100年続く組織を目指し新規事業展開を行う

宮城県塩釜市に本部を置き、同石巻市で高齢者と障がい者に向けた総合福祉事業を行う愛さんさんグループ。入居者がリハビリをして元気になっていくことを目指す有料老人ホーム「愛さんさんビレッジ」、そこで提供する食事を精神障がいのある人たちが作り届ける宅食サービス「愛さんさん宅食」、働く障がい者に住まいを提供し社会に出る第一歩を後押しするグループホーム「I sun コパン」を三位一体で展開する。

高齢者と障がい者が仕事と生活の垣根のない営みを通して、共に自分を取り戻していくことがグループのコンセプトであり、その共生の場を「村(ビレッジ)」と呼んでいる。高齢化が進み共生社会の形成が必要不可欠となっている今、一つの理想郷のようなモデルを実現している愛さんさんグループの代表取締役CEO、小尾勝吉さんにお話を伺った。

このエリアで事業をスタートした経緯を教えてください

私は幼少期から、自分は何のために生まれたんだろうかと考えていました。親戚の方が息を引き取る瞬間をみとることもあって、自分はどう生きるのかを問われているような気がしたんです。そんな中、母子家庭で育った私は父親像を松下幸之助さんに求め、本を通してたくさんのことを学び、勇気をもらいました。そして、何で商売するかよりも、なぜそれをするのかという気持ちが大事で、気持ちに人が集まり、思いが形になってつながっていくのが経営だと学び、「生き方」として経営者を目指します。

2011年に神奈川県川崎市の自宅で法人登記の準備を進めていた時、東日本大震災が発生しました。ちょうどグロービス経営大学院大学に入学するところで、「全てのものに意味がある。目の前で起こっていることは私たちに何かを教えてくれている」というメッセージを受け取り、受講生のみんなでバスを貸し切って石巻市に入りました。そこで映像では分からない現地の状況を肌で感じながらボランティアを続けているうちに、神奈川で創業している場合じゃないなと思いました。ここで創業して、事業を通じて何か役に立てるようなことができれば必ず道は開けると思ったんです。

その時すでに母親は亡くなっていたので、親孝行できなかった自分の思いも込めてできるような、そして現地で求められていて、壁にぶつかっても壁とは捉えないような思いを持って進められる事業を選ぼうと考えました。そこで思い付いたのが、仮設住宅で困っている人たちに食事を届けることでした。月商9,000円からのスタートでしたが、それが「愛さんさん宅食」の始まりです。

インタビューはオンラインで実施。創業の経緯から、未来にかける想いを語ってくれた

事業の中で力を入れていることは?

一番は教育です。学びたいという人に対して、その人が人間的に成長できるのであれば惜しまず投資してきました。技術的なこともそうですが、特にその土台となる研修に重きを置いています。目の前で起きていることを誰かや何かのせいにするのは簡単ですが、そこからの学びや成長はありません。どれだけ自分ごとにできるか、自分の人生を主体的に生きるという、当社の行動指針を身に付けてもらっています。

福祉の仕事は心理職といわれる通り、薬だけではなく言葉を通じて人を癒やしていく仕事だと捉えています。癒やす側の自己理解が深まっていなければまず自分を癒やすことができず、他人を癒やすこともできません。ですから自己理解を深めていく研修を通して、一人ひとりに他責から自責へ、主体的に自分の人生を歩んでいけるような気付きを得てもらっています。その結果、福祉の仕事で20〜30%といわれている離職率が当社では9%ほどです。

サービスの面では、「入ったら元気に、良くなっていく」という「自立支援」をコンセプトにしています。2000年に介護保険制度ができてから20年しかたっていないので、高齢者や認知症の方へのアプローチに関するデータがまだ十分にありません。昔の非常識が今の常識にどんどん変わっている最中でもあります。そうした背景もあり、学会も含めて全国のベストケースを集めながら、データやエビデンスを基に科学的にアプローチを行えることを強みにしています。おおむね3人に1人、介護度が改善しています。障がいのある方に対しても同じく「自立支援」をコンセプトに行っています。

一般的な老人ホームは人員配置基準があって、職員1人につき3〜4人高齢者を見ています。私共は障がい者の方も同じところにいて、間接業務と呼ばれる仕事をやってくださっているので、高齢者1人に対して職員が2人いるという状態になっています。こういう体制だと多くの人の目がありますので、昨今事件などが起きて問題となっている虐待などはあり得ません。何よりも活気が生まれ、失敗を許容する風土ができ、高齢者も障がい者も職員もチャレンジしやすくなります。

人が頑張っている姿ってやっぱり美しいです。高齢者の方もリハビリに頑張っているから障がい者の方たちも頑張ろうと思える。みんなで切磋琢磨(せっさたくま)していく雰囲気ができてきています。

これから目指したいことはなんですか?

全国の希望となるような場所をつくっていきたいと思っています。例えば自分の子どもに障がいがある方、両親が認知症になって大変だという方が、東北に愛さんさんグループがあることを知り、希望を持ってもらえるようなブランディングをしていきたいです。

そのためには、働いている人たちが経済的にも豊かにならないといけません。今、私たちは高付加価値な産業を立ち上げようとプロジェクトを進めています。付加価値の高い自社商品を開発して、全国に販売できるものにしていく。それに携わっているのが当社のサービスを通じて元気になった高齢者や障がい者や職員と認知される状態をつくりたいです。

もう一つは行政との連携です。これから介護保険制度も含め、さまざまな制度が市町村マターになっていき、競争環境ができていくと思われます。消滅可能性都市なども指摘される中で、独自の施策を打ち出していかなければならないときに、市町村と協力しながら一緒に運営するような事業体になっていきたいと思っています。そして、愛さんさん「ビレッジ」が愛さんさん「シティー」に発展していったらいいですね。

さらに、人材を育てながらホールディングス化経営を行い、継続可能な組織にしていくことを考えています。100年続く組織を目指し、次の世代に「思いのバトン」をつないでいきたいです。

若者へのメッセージをお願いします

やはり皆さんにも「生まれてきた良かった」と思えるような人生を送ってほしいです。毎日そんなふうに実感できたら、皆さんだけでなく親御さんもうれしいと思います。

私も若い頃は相当悩んで、就職氷河期の中、結局就職はせずに音楽活動にのめり込んでいきました。今こうして経営の道を歩んでいるのは、本を通した松下幸之助さんとの出会いがきっかけでした。人との出会いで人生は変わっていきます。そして、自分を信じること、悩んだら動くことですね。

自分を信じて、たくさん本を読んで、たくさん動いて、誰かと出会ったときに自分が考えていることをきちんと話せる練習をして、その出会いを生かせる自分になっていく。そうやって一歩ずつ階段を上がっていくと道は開けていきます。「生まれてきて良かった」と思えるように、ぜひチャレンジしてください。

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愛さんさんグループ 代表取締役CEO・小尾勝吉さんが登壇されるイベントは、2月18日(木)開催です!実際に、お話しを聞きにご参加ください。