次代に思いをつなぎ、日本の麺文化を世界に発信

<OFF TOKYO×キラ☆企業>マルニ食品株式会社/代表取締役・二階堂玲子氏

東北・新潟にはキラリと輝く企業がたくさんあることを知っていますか?そこでは先輩社員たちがイキイキと仕事をしています。このサイトでは、そんな素敵な企業を「キラ☆企業」としてご紹介しています。
「自分らしく働きたい!」「 やりがいを感じる仕事がしたい!」「 夢を叶えたい!」と考えていたら、「キラ☆企業」で紹介する先輩社員のメッセージに耳を傾けてください。

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この企業のキラ☆ポイント!

  • 「お客様の顔を見ながらおいしいものをつくる」原点を大事にしている
  • 明治18年の創業以来、技術力と開発力をベースにものづくりに妥協しない姿勢
  • 次の100年に向け、今もトライ&エラーを繰り返し進化し続けている

宮城県の北部・登米の地で、麺茶屋として創業し130余年のマルニ食品株式会社。「『おいしさ』を通じて幸せを提供する」企業姿勢と、進化を重ねてきた技術力、そして時代の潮流に対応する柔軟性で歴史を紡いできた。現在はうどん、中華麺、パスタ、そば等の麺製品、調理麺のほか菓子や総菜、郷土料理などを製造・販売し、直営店の運営やインターネット販売も手掛けている。

一方でこれから転換期を迎えるであろう大量生産・消費社会からの脱却を図り、産みの苦しみを伴いながら次の100年に向けたトライ&エラーを重ねている最中でもある。「日本の麺文化を磨き上げ、世界に喜ばれ誇れるものに」を目標に、共に歩んできた地域を、そして東北を照らす企業になる。そのために今すべきことは何か。代表取締役 二階堂玲子さんにお話を伺った。

代表取締役 二階堂玲子さん

このエリアで事業をスタートした経緯を教えてください

マルニ食品の原点は1885年(明治18年)に初代二階堂文左衛門が登米の川沿いで始めた小さな麺茶屋です。そこで手延べのうどんや手打ちのそばを作って出していたのですが、この辺は昔も今も農家さんがすごく多い場所ですので、2代目になるとその農家さんたちが作った小麦粉を麺にする加工業を営み始めました。

昭和に入り戦争を経て高度経済成長期に差し掛かり、工業化が加速します。スーパーマーケットが世の中に誕生し、流通業による新しい世界が生まれ、当社も工場を造り、農家さんではなく流通関係の取引先との商売に移っていきます。

先代に当たる4代目の時代になるとGMS(General Merchandise Store=総合スーパーマーケット)業態ができ、コンビニエンスストアも日本で広まります。そうした時代の変化に合わせて新しい仕事を広げていったことが当社の歴史の一つのポイントになります。

その後、デフレ社会に突入し、売り上げはあっても利益の上がらない状況に陥ってしまいました。そこで世代交代を早めるような形で私が5代目を継ぎ、現場でコスト管理や効率化、利益率を上げる取り組みを行い数年かけて改善を図っていきました。まだその最中でもあります。

事業の中で力を入れていることは?

当社がなぜ長く続いてきたかというと、「ものづくり」の点で妥協せずにおいしいものを作ろうという創業者の努力があったからだと思います。それが茶屋を訪れる人に評価いただいて、次の代につながっていきました。その後も新しいものに取り組めるだけのメーカーとしての技術力と開発力を維持しながら、時代に対応していった結果が135年の歴史になっています。ですから私たちが今でも大事にしているのは根本的には「ものづくり」。技術を磨いていくことを何より大切にしています。

もうひとつ、「お客さまの顔を見ながら」おいしいものを作っていくという原点も失ってはいけないと考えています。流通主導で世の中が形作られてしまった結果、個人商店に買い物へ行く人が減り地方の商店街がシャッター通りになりました。私たちのお客さまもほとんどがスーパーやコンビニで、バイヤーさんと商談してトラックでセンターに配送するという、お客さまの顔がまったく見えないビジネスモデルになってしまっていました。

本来はそうではなかったはずで、創業者は自分で店を作って自分でものづくりをして自分でお客さまに振る舞っていた。それがやっぱり私たちの原点であると考えて、今はBtoCに力を入れています。東日本大震災後の2011年10月には直営店の「麺や文左」、2020年3月には仙台に「二階堂製麺所」「仙台手のべうどん BUNZA」をオープンし、つい先日(2020年12月)も本社敷地内に工場直営店「二階堂商店」という小さなログハウスの店をフルオープンしました。

一方で、ものづくりも試行錯誤しながら行っています。例えば新商品としてハゼのだしで食べるうどんを作ったのですが、原料を社員自らが釣り、干すことまでしていました。笑ってしまうような話ですが、それを会社として容認しているのは、次の時代に花開くといいなと願っているからなんですね。お客さまに自分たちの思いをお伝えするということが、そうしたエピソードからも生まれてくるのではないでしょうか。

これから目指したいことはなんですか?

コモディティー化した商品は大手が大量生産し、無人化、機械化も進んでいきます。さらに日本は人口が減っていますから、私たちのような中小企業が同じ分野で争っても勝算はありません。中小企業は、小さめな、アナログな部分を担うべきではないかと考えています。

次の時代の新しいビジネスの在り方を考えると、おそらくスーパーやコンビニに単純に納品するという世界ではなくなるでしょう。産みの苦しみを伴いながら、次世代に引き継ぐビジネスを模索しているところです。「失敗してもいいから、とにかく色々なことを実験しよう。しかもスピーディーに」と、トライ&エラーを繰り返しています。それが今のこの会社の在り方だと考え、新しい事業や商品、人材に投資しています。

「次の時代につなぐための今」という感覚が私はとても強いんですね。創業から135年経ち、次の100年をつくるために今、私たちが何をしなければいけないかという発想で仕事をしています。目先の数年のスパンではなく、もっと長い目線で自分たちの役目を捉え、いかに新しい会社をつくり上げるかが課題です。

そして、地域を明るくする会社でありたいと願っています。「日本の麺文化を磨き上げ、世界に喜ばれ誇れるものに」というテーマを掲げ、東北から輝くものづくりを発信し、地域を活性化できたらと思っています。

若者へのメッセージをお願いします

大量生産とは真逆のことをやっていこうという私たち中小企業にとって、「人の力」がこれから非常に重視されていくと思います。ロボットやAIを使いこなす、システムを作る仕事とは真逆の、人と人とのコミュニティーの中で自分の力をいかに発揮できるかが問われているのではないでしょうか。

私たちにとっても、お客さまとのコミュニケーションをどう図っていくか、自分たちのものづくりに対するアイデンティティーに共感を頂いてくれるファンをどれだけつくれるかというのが最大の課題です。どうすれば自分たちの思いをお客さまにお伝えできるか。例えばSNSなど新しいソリューションの中で麺文化がこんなにいいものだと世界に広めていく。そういうことをやりたいと思う人、チャレンジしてみたい人と一緒に働きたいですね。

そして若い世代の方にはぜひ、次の時代を引き受けてほしいと思っています。私たちのやっていることを真似したり、ただ継続したりするのではなくて、どう進化させるかを考えられる力を付けてほしいです。特に今は、調べれば何でもすぐに出てきますし、何かを見て誰かの意見に左右されることも多い時代です。そうした中でも、自分たちがどういう未来をつくっていくのかを考えることができるチームを会社に置きたいです。

それに対して私たちができるのは、育てるというよりも、若い方々が自分たちの力で新しい時代をつくっていけるような環境を用意することだと考えています。若い人たちが活躍できる企業体制、体質を整えながら、一緒に未来を見いだしていきたいですね。

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マルニ食品株式会社 代表取締役・二階堂玲子さんが登壇されるイベントは、2月18日(木)開催です!実際に、お話しを聞きにご参加ください。

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